NPO法人Vネット 2020年度活動報告
1. 被災地支援事業
(1)2020年7月豪雨災害支援活動
①期間:2020年7月11日~9月27日
②事業地:岐阜県高山市秋神地区
③事業内容
【支援活動開始】
2020年7月豪雨により、熊本県を中心とする九州各地及び岐阜県飛騨地域に甚大な被害が発生。
高山市では、孤立地域が出るほど甚大な被害となったため、Vネットは高山市社会福祉協議会及び朝日町まちづくり協議会などと協力体制を構築して災害ボランティアセンターを設置し、被災地支援活動を行いました。
【ボランティア不足】
全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が心配されていた時期であったため、技術を有するボランティアを集められない、一般ボランティアも集まり難いなどの課題が発生。
そのため、「家屋の解体」「重機やチェンソーを用いた活動」等の技術を要する活動については、Vネットのメンバーに加えて天理教ひのきしん隊など友好団体からの協力を得ながら事業を進めました。
また、一般ボランティアについては「飛騨地域内限定」で募集がかけられたものの、なかなか十分な数を集めることはできませんでした。
【家屋の保全】
水害で最も大切なのは、「浸水被害を受けた家屋の保全」。経験のあるボランティアを集めることができなかったため、必要な部分については、集まったボランティアに対してVネットのスタッフから保全方法を丁寧に説明しながら作業を進めました。
ここで特に重要なのは床下の対応。これをしっかり行わないと、その後家屋がカビだらけになったり、匂いが取れなくなってしまうこともあります。
湿度が高いとカビやすくなるため、できるだけカビが生えないように水分を少なくした状態できれいに仕上げなければなりません。
泥を除去した後は送風機などを設置して、しっかり乾燥させることも必要です。
これらについて、家主さんと打合せをして納得をしていただきながら作業を進め、多くの喜びの声をいただくことができました。
【家屋解体・土砂除去等】
倒壊の恐れや土砂が流入して使えなくなった建物については、重機やチェンソーを使って解体作業を行いました。
また、流れてきた土砂は重機を使って除去し、倒れる危険性のある立木もチェンソーで伐木を行いました。
(高山市朝日町では、重機2台、不整地運搬車1台、ダンプ2台、チェンソー1台を使用。)
【事業の成果】
初動対応が早く、これまでの知識と経験を活かすことができたため、カビ等の繁殖を防ぎ、その後対応する建築業者からも「ここまで対応してもらっているとやり易い」という感想をいただくなど、被災家屋のダメージを最小限に抑えることができたと考えています。
また、重機やダンプなどを用いて民地に流入した土砂や流木等を除去した結果、被災された方の時間的・金銭的・精神的な負担を軽減し、早期生活再建にも資することができたのではないかと思います。
④寄せられた感想
「経験のある団体が担当してくれたことで、家屋の傷みも最小限に抑えることができたと思う。本当にありがとうございました。」などの声を多くいただくことができました。
⑤参加ボランティア数:約700人
⑥直接事業費:159万円(主な支出は重機・ダンプ等レンタル料、交通費など)
(2)岐阜県の災害準備活動を支援
①農業ボランティアセンター立上げ支援
岐阜県では、風雨等による農業施設への被害に対し、ボランティアを集めて支援する体制が整っていないため、JAや社会福祉協議会などが「農業ボランティアセンター」を設置できるようアドバイザー的に体制づくりの支援を行っています。
②水害被災家屋の保全マニュアル作成支援
岐阜県では、水害で被災した家屋の保全を行うボランティアのマニュアルが作成されていなかったため、Vネットの知識と経験を活かして改訂の作業を支援しました。
2. 新型コロナウイルス感染対策事業
(1)障害福祉サービス事業所感染対策支援事業
①期間:2020年8月6日~2021年3月31日
②事業地:岐阜県高山市, 飛騨市, 下呂市, 白川村, 郡上市, 中津川市, 恵那市, 白川町, 東白川村(前記地域は、ECMO等による集中治療が可能な病院まで車による搬送で1時間30分以上必要である医療脆弱地域として対象とした。)
③事業内容
【事業目的】
全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大し、その対策が課題に…。「ECMO等による集中治療ができる病院まで遠い」「密になり易くクラスター発生の危険性が高い」という不利な条件が揃う障害福祉サービス事業所の感染を防ぐため、「飛沫ガードの設置」「対応方法がわからない点の解消」を進め、地域の安心度を高めることを目的としました。
【対応確認】
対象地域の障害福祉サービス事業所を訪問し、「感染対策方法」「感染対策でわかり難い点」を聞き取り調査し、わかり難い点については、岐阜県や感染症専門医などに相談の上、理解していただけるように回答しました。
【飛沫ガード設置】
飛沫ガードが必要と思われる場所については、採寸して事業所と必要な大きさや形を決めて作製。多くはアクリル製で、場所によって置き型と吊り型を使い分け、ビニールを使用することもありました。
【事業の成果】
民間の事業所では、その多くで「どのように対応したら良いのかわからなかった」「アクリルの飛沫ガードを設置したいと思っていたが、補助金では全体をまかなうことができなかった」など、困ってみえる所が多かったと感じました。
事業を行うことにより、対象地域の障害福祉サービス事業所における感染対策レベルは確実に上がったと考えます。
④寄せられた感想
「どう感染対策をしたら良いのかわからなかったが、Vネットさんに対応してもらって安心度合いが高まった。本当にありがとうございました。」など、感謝の声が多く寄せられました。
⑤直接事業費:243万円(主な支出は飛沫ガード作製資材、交通費など)
⑥無償提供した飛沫ガードの枚数:約1,000枚
(2)民間事業所感染対策支援事業
①期間:2020年5月11日~2021年3月31日
②事業地:岐阜県高山市, 飛騨市, 下呂市, 白川村など
③事業内容
【事業目的】
全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が課題となり、民間事業者もどのように対応して良いのかわからない状態に…。そのため、各事業所からの相談に答えながら飛沫対策を行い、地域の感染を抑止することを目的としました。
【飛沫対策】
感染対策の相談を寄せた事業所は、医療施設、高齢者施設、障がい者施設、宿泊施設、飲食店、一般事業所など多岐にわたり、その多くが「どのように対策を行えば良いのかわからない」「どこに頼めば良いのかわからなかった」と言われていました。
相談をいただいた事業所を訪問し、必要なサイズ、形態を確認して依頼者に納得していただいた上で設置。
最初は高山市内の建築業に携わる皆さんにご支援いただき、感染リスクが高いと言われる飲食店が集まる地域の対策を、飲食店の皆さんにもご協力いただきながら進めました。
その後は、アクリルの加工や取付け方法を工夫しながら、約80事業所の感染対策を行わせていただきました。
※この事業は、飛沫ガードを設置した事業所から相応の対価をいただいて実施しました。
NPO法人Vネットの活動は、ジャパン・プラットフォームからの助成及び多くの皆さまからのご協力によって成り立っています。
2021年度も、「涙を減らし、笑顔を増やす活動」を目指して頑張りますので、ご支援賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
凄く微力ですがお邪魔出来て
凄く勉強になりました
ありがとうございます
今後もよろしくお願いいたしますm(__)m